ミハエル三度目の正直!!? 前編(6月28.29日) |
関東支部ミハエルからだ。
「6月28.29日、ハルナと二人予定が空いたから、何処か連れて行け!」
(まったくもって、こいつらは・・・!?
カレンダーに空白があることが、許されないのか!!??)
はてさて? 梅雨時真っ最中!
いったい、何処で遊ぼう・・・?
過去にハルナは1回、ミハエルは2回、名古屋上陸を果てしているものの
雨で涙をのんでいる!!
だが許されるものなら、どうしても御在所クライミングを楽しんでもらいたい。
今年の東海地方の梅雨傾向は、カラ梅雨っぽく二日として雨が続かない!!
(二日あれば、なんとか・・・)
ギリギリまで雲行きを見極め、チャレンジすることにした。
28日
名古屋駅着7:00の夜行バスで、娘達は乗り込んでくる。
係長、モリゾーと共に迎えにでた。
結構、雨が降っている!!
係長の顔が歪んできた!
だが、私の心は固まっている。
雨だろうが槍だろうが、とにかく行く!!
あとは根性で、登るのみ!??
そんな私の顔つきに、二人も異論を唱えられない!?
来ました! 来ました!! かしましコンビ!!!

(どんなことに、なるのやら??)
不安を押し隠す二人を車に詰め込み、車を走らせた。
途中、腹ごしらえのために御在所SAに立ち寄る。

読みどおり、雨は上がったようだが山の天気は、分からない!!
いつもの駐車場に車を停め、雨気の残る裏道を歩き出した。

雨上がりで湿度が高いのか、やけに汗が出る!
(いや! この汗は尋常ではない!! 体調が悪いのか!?)
今夜の宿、藤内小屋に着く頃にはヘロヘロになっていた。
近年、めっぽう暑さに弱くなった!!
季節の変わり目が要注意だ。

上を見上げれば、遊び場はまだガスに包まれている。

焦っても仕方がない、部屋に上がらせてもらい
暫しの休息を取らせてもらうことにした。

一時間ほど横になっていたら、汗も呼吸も収まった。
岩が濡れているのは間違いないが、このまま宴会突入とはいかない!!
係長は、さかんに「それでも良い」と訴えるが、許されるはずもない。
重くなってしまった腰を持ち上げた。

御在所の岩の良い所は、濡れていても無茶をしなければ
なんとか遊べるということだ。
藤内沢へと向かった。

こんなに水量のある藤内沢は初めて!
(当たり前か! こんな日に来ることはないのだから・・・?)
まるで沢登りの様相だ!!

時折、風と小雨が吹き付ける!
この天気では、リードクライミングはありえない。
(風裏を)と前尾根P7に場所を見出し、トップロープを張りに行った。

フリールート[蛇の皮]だ。
前尾根アルパインルートの一部にあたり、普段はトップロープなんぞ
やらしてもらえないのだが、今日はそんな心配をしてなくてもいい!?
とりあえず、遊び方の見本を見せ
何も分からず、文句も言えない娘達を張り付かせた。
どんな形にせよ、念願の御在所を触ることができ
大喜びのミハエルだ!!

続いて、最近アルパインに目覚め、目下イケイケドンドンのハルナ。
力強いムーブを見せてくれる!

全員がひと通り登ったところで、モリゾーが向こうに見える[一の壁]を見やり
「隊長! 次は[一の壁]行きましょうよ!!」と言ってきた。

それを聞いた係長!? ギョッとして「えェ~!!??」と天を仰いだ。
もう戻りたいばっかりである。
私も久しぶりに行きたいと思っていた。
係長の喘ぎは聞こえない振りをして「OK!!」のサインを出した。
また沢登りをしながら、辿り着いた[一の壁]。
しっかりと濡れていた!!?

足元を見れば、アジサイの一種か?
可愛い花が咲いている。

壁を見上げ、その高さと威圧感に見とれるハルナ。

(何処を、やっつけようか??)
思案していると、モリゾーが「隊長、何処をやりますか?」と
言いながら、腰にロープを二本結んでいる!
「おう! おう!! やる気やのォ~!」と茶化すと
「どうせ、誰もやってくれないだろうから
言い出した責任払いで、僕が行きますわ!」と答えた。
(おう! 頑張れよ!!)
壁の高さは40mを下らない!
ここも普段はリード&フォローの遊び場で
トップロープは許されない。
しかし今日は我々の貸切だ。
誰も文句を言う奴はいない!
50mロープ二本繋ぎのトップーロープで、遊ぶことにした。
難儀をすれば、巻き道でシステムを作ることはできるのだが
あえて、この状況下をリードでロープを引いていくモリゾー!
(やるのォ~!!)

私にも、ロープを通して緊張感が伝わってくる!!?
責務を完了し、下りてきたモリゾー。
開口一番「もう二度とやらん!! こんなことは・・・!!!」と吠えた!?
(そうだろうな!? だけど、責任払いだから仕方ないな・・・)
遊び場が完成した。早速、登らせてもらう。
(いや~! 気持ちいい~!!)
久しぶりに拝むことができた [モンキーフェース]。
その後ろには、明日予定をしている前尾根の岩峰。
終着の [ヤグラ] がガスに霞んでいる!

ハルナが登る!

そして、ミハエルが登り始めると係長が「早く、ビールが飲みたい!
僕は、もういいです!? 上に行って、支点を回収してきます」と言って
巻き道を登って行ってしまった!!
(???そう、きたか!? ・・・
まあ、いいか! あいつを登らせるために努力した訳でなし・・・)

雨も降ってきたし「さあ、戻ろ! 戻ろ!!」
速い、速い!! アッという間に、小屋に着いた。
着替えもそこそこに、気がはやる!!?
「クワァ~!! しみわたるのォ~!」
嬉しいことに、小屋が焼肉のツマミを振舞ってくれた!!
(ウマァ~!!)

実はジャンキー達、御在所で泊まるのは初めてだ。
地元からは日帰り圏ということで、なかなか泊まろうと
いう発想には辿り着かなかった。
今回、ミハエル達を迎えるにあたり設定してみたが
その快適さに全員ハマッテしまった!!?
素泊まり¥3000、晩飯¥1000、朝飯¥700、風呂¥300
合計¥5000で、クライミング後すぐに心置きなく
「かんぱ~い!!」の音頭が取れる!??
(悪いことを、覚えてしまった・・・)
「ばんめし~!」の声が掛かった。
さあ!本格的会議の始まりだ!!
(もうジャンキー達の宴会は有名になってしまって、今更なのだが
毎度宴会ではバツが悪い!!? これからは、会議と称することにする・・・)
ミハエルは先週、御蔵島でイルカ達と遊んできた!
その折、御蔵島でしか手に入らない [御蔵] という地酒を調達し
持ってきてくれた。
早速、頂くことにしよう!
「それでは皆様、グラスをお手に。かんぱ~い!!」

本当にアットホームで、家で飲んでいるような感覚だ。
何の話を肴に、時が過ぎていったのか憶えがないが
ふと気が付くと、係長がいない!!?
なんと、すでに部屋で撃沈していた!
「寝かしとけ! 寝かしとけ!! 再浮上してきたら、ロクなことがない」

更に時は進む。
だが、私の記憶もここまでのようだ!!?
撃沈二人目!!

撃沈三人目!!!
明日のことを思うこともなく、安らかに沈んでいった(らしい)!!

この夜、麓は晴れ四日市の夜景が綺麗だった(らしい)!

さて、明日はどうなる・・・???
by 隊長